花文や花唐草を背景に、主役の動植物を配置する土本久美子さんの象嵌。
平らなプレート類に、大胆な構図のメリハリが印象的です。
蓮弁、稜花、八角型、
象嵌の白と生地のグレーのコントラストが
個性的な形状の魅力をも引き立て、
料理の盛り付けを一層楽しいものにしてくれます。

薪窯でうねる炎を彷彿とさせる、土本訓寛さんの焼締め。
鋳造したての鋼鉄のように、熱を帯びたような窯変の豊かな表情と
極限まで焼成したような、反りが生じた躍動ある姿にも惹かれます。

吉岡将弐さんの得意な染付の世界を広げる新しい形、
手付皿は1930年代頃のフランス陶器を手本に作られたもの。

リズミカルに描かれた唐草文様の歴史は深く、
古代エジプトやメソポタミア、ギリシャなどが発祥と言われています。
やがてシルクロードを経て中国で独自の文様として確立され
そして日本へも伝わり、現代においても変わらず愛され続ける永遠の唐草文様。
時代を経て、またひとつ新しい形に出会いました。