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ああ、なぜでしょう。
今日も無性に食べたくなってしまう。
なめらかな食感、卵とだしの優しい風味。
匙を入れ、具材を掘り起こす時のワクワク感…。
海老、帆立、鶏肉、銀杏、
はたまただしの味で勝負の硬派な具ナシか。
これはもう、うつわの中に広がる小宇宙。
魅惑の食べもの「茶碗蒸し」!
嫌いという声はあまり聞かないけれど
なぜか脇役感が否めない。
しかし改めてその魅力に迫ってみると、何やら奥が深そうです。
そもそも、茶碗蒸しとはナニモノなのか…?
料理の発祥は、徳川綱吉の時代にまで遡ります。
長崎にやってきた唐人たちがもたらした
卓袱料理がそのルーツと言われ、
あまりの美味しさに驚いた伊予松山の藩士・吉田宗吉信武が
専門店を作り、広めたのが始まりなのだそうです。
そんな、古くから人々を魅了してきた茶碗蒸しの魅力を
敢えて三つ挙げるならば、
「特別感」に「意外に簡単」、そして何と言っても「自由度の高さ」。
…これでしょう!
熱々の蓋を開ける瞬間や、匙が具に当たった時の高揚感。
何かと楽しみが多い茶碗蒸しは、食卓に並んだ時
何とも言えない「特別感」があります。
だしと溶き卵を静かに混ぜて、茶碗に注いで蒸すだけという 、
「意外に簡単」な調理工程も大きな魅力の一つです。
定番の蓋付き茶碗も良いけれど、
マグカップや土鍋、蕎麦猪口をその日の気分でチョイス。
自由な発想が、新しい定番のひと品を作ります。