薬味のはなし
生姜、ねぎ、みょうが、大葉…言葉を並べるだけで「薬味」と連想できるほど、
私たちの食卓で薬味は身近な存在です。
冷奴、刺身、うどん、鍋料理…
一年を通し様々な料理に薬味は登場します。
その歴史は古く、平安時代には柚子を使って汁ものに風味を付けるなどされ、
江戸時代に饂飩が広まるころには、薬味もより幅広く用いられるようになったようです。薬味の由来は「医食同源」から来ており、
薬にもなり、味つけにもなる意味があるとされています。
いつも当たり前のようにある薬味ですが、その効能は理にかなっている部分が多くあります。改めて薬味についていろいろ知ってみると、新たな発見がありそうです。
お気に入りの豆皿で
少しずつ集めた色も形も様々な豆皿を並べると、
小さいながらも華やかな薬味皿の共演となります。
夏の定番メニュー、素麺や冷奴はクセが無くシンプルな味わい。
薬味を合わせやすいので、家族の好物をいろいろ並べてみたくなりますね。
薬味の盛付ポイント
細かく刻んだり、すりおろして使う少量の食材な上
メインに料理に添えるものなので、つい最後に急いでセッティングしがちですが
それぞれの盛付けにほんのひと手間加えるだけで、盛付や食卓の見栄えがグンと良くなります。
大葉の細切りや、刻んだ冥加に空気を含ませるように整えると、ふわっときれいな盛付けに仕上がります。
盛付箸を使う
竹で作られた盛付箸の先端は大変細く、盛付の仕上げに最適なお箸です。
薬味の他にもお造りのツマや重箱、お弁当をつめるのが驚くほどラクに、
そしてきれいに仕上がります。普段の料理からお使いいただきたい道具です。
薬味いろいろ
高温多湿の日本の夏を乗り切るため、特に夏場の薬味は様々に活用されるようです。
消化吸収を促進し、胃腸の働きを助けたり
抗菌作用により、食べ物の衛生を守るなど
味のアクセントだけでなく、様々な効能を知った上で
薬味を上手に取り入れたいですね。
βカロテン豊富な緑黄色野菜。髪や皮膚の健康維持に効果。
特有のネバネバペクチンは水溶性食物繊維。カリウムやカルシウムも多い。
特有の強い香りは硫化アリルという成分で、刻むことでたくさん作られる。
ビタミンB1の吸収を助け、消化分泌を促す効果もある。
細かな小口切りが見た目にも鮮やか。硫化アリルは白ねぎの方が多いが、
葉ネギはβカロテンが多く、緑黄色野菜に分類される。
体内では合成されないミネラルが豊富。食物繊維も多い。
うまみ成分グルタミン酸が多く、美味しく活用しやすい食材。
磯の香が広がり、鮮やかな色も目に美味しい。
食餅繊維とカルシウムが特に多く、ビタミンA、葉酸も多く含まれる。
炒った胡麻を擦る香ばしさは料理のアクセントに。
タンパク質、食餅繊維、鉄、カルシウムも豊富で健康促進に注目食材。
胡麻をそのまま食すより、すりごまの方が栄養吸収が良い。
古くから世界中で親しまれ、香辛料や漢方にも使われる食材。
ショーガオールの働きで血行促進作用がある。
夏野菜の代表格。薄く塩もみにすれば、瑞々しく歯応えのある触感。
カリウムが多く取りすぎた塩分の排出を促す。
柑橘の爽やかな風味は世界の様々な料理に用いられる。
抗酸化作用のビタミンC、疲労回復のクエン酸が豊富。
独特の風味は、蒸し暑い日でもさっぱりと食事が出来る夏の薬味。
辛み成分は血流促進、香りは食欲増進につながる。
瑞々しい中に爽やかな辛みがあり、天ぷら、焼きもの等幅広く使われる。
酵素の働きによって胃腸の調子を整える。
和食には欠かせない彩りと風味の大葉。
βカロテン、ビタミンC、ビタミンEの他、
さわやかな香り成分には強い殺菌・抗菌作用がある。
さまざまな料理で生かしたい薬味。
季節に合わせて美味しく、効果的にいただきたいですね。