花田での初めての個展・・・、
岡本さんは私たちをどんな楽しい新天地に誘ってくれるのだろう。
ユニークで心和む文様、 金彩、銀彩も使っての多彩な色使いは
どんな新作群を生み出しているのだろう。
来週15日(水曜日)に初日を控え、最後の打ち合わせに向かう私の胸は
工房が近づくにつれて、その期待でいやが上にも高まっていきます。
「こんにちわ、お邪魔しまあす。」
大きな扉を ガラガラと開けると、様ざまな表情の初々しい新作が所狭しと並べられ
その奥で一心不乱に絵付けをしている岡本さんが目に入ります。
ひとつひとつ目を凝らして見ると、 克明な色絵付けが施された 乾山模しと思われる扇面の小付、 掌で蕩けてしまいそうな 小さくて瀟洒な蓋物、 思わず手にしてしまう個性豊かな かずかずの猪口、 更紗文様をひょうきんに デフォルメした皿や平鉢など、 正に変幻自在、 どれもこれも惹きつけられる 魅力的な作品ばかりです。 |
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そして 絵付けの順番を待つように、 大皿や大鉢、マグカップ、 六角の小鉢などが 白い素地のまま控えています。 |
岡本さんの色絵を中心とした仕事は、ただ面白い可愛いと表現するだけでは物足りません。
そこには心の充実があると私は思っています。
古典に通じている岡本さんはこの個展にあたっても、
江戸期の乾山、インドや日本の更紗、
オランダのデルフトの文様や形をより深く辿ったと言います。
岡本さんの作品づくりは 古今東西を問わず古典や名品を身につけ咀嚼して、
持ち前のセンスで「岡本ワールド」を形成している素晴らしさにあります。
今この工房で出番を待っている沢山の新作が、花田のギャラリーに登場する時、
どんな花を咲かせてくれるのか、高揚する気持ちを禁じ得ないのです。
岡本修さんは、企画展初日の15日(水)と二日目の16日(木)に来店予定です。
■企画展名
岡本修色絵展
■開催期間・場所
期間 : 2013年5月15日(水)~ 25日(土) ※期間中無休
場所 : 「暮らしのうつわ 花田」 2Fギャラリースペース
■展示内容
5寸皿、6寸皿、大皿、小碗、小付
猪口、蓋物(手びねり)等
■作者プロフィール
1963年 京都府生まれ。
1992年 金沢市北陶にてやきものの基礎を習得。
その後、九谷青窯で17年間修業を積む。
2006年 石川県能美市にて築窯。
新鮮な感覚を生かした色絵のうつわを中心とする。
中近東や西洋の骨董からヒントを得た作品を意欲的に制作。