2008年10月の新作 浄法寺、岩舘隆さん、玉山保男さんの漆のうつわ3種


10月の花田の新作は、【浄法寺、岩舘隆さん、玉山保男さんの漆のうつわ3種】です。

美しく柔らかい、浄法寺の漆のうつわ。 塗師である岩舘隆さんや玉山保男さんに聞けば「木地師がいいから」「漆がいいから」
木地師である佐々木米蔵さんに聞けば「塗師がうまいから」「木がいいから」
と答えます。

縄文時代にまで歴史は遡るといわれる漆器は、日本の工芸の中でも際立って分業体制が確立していると言えます。
漆を掻く人、木地を挽く人、漆を塗る人・・・彼らは信頼と尊敬によって強く結ばれています。
その絆は「塗師の仕事は7割までで、あとの3割は使い手が完成させる」という、
塗師の言葉にもあるように使い手にまで及ぶのかもしれません。
加えて、浄法寺の職人たちが漆のうつわを前に持つのは、「漆が良いから」「木が良いから」 という、
自然に対する感謝と畏敬の念。

さて、漆のうつわは、高くて、扱いづらくて、特別なものですか?
いいえ、割れないし、軽いし、修理もききます。
そして、使われながら育つのが漆のうつわで、使うほどに漆そのものの良さが映えてきます。

中でも浄法寺の漆は、希少といわれる国産漆生産の6割以上を占めます。
浄法寺の強みは何といってもその良質の漆を現地の強みで存分に使えること。
国産漆の見た目の美しさ、しっとりとした手触りは、一度経験すれば忘れられないことでしょう。

今回は、栗木盆、カスク鉢、蓋付椀のご紹介です。
奇をてらわず、装飾に走らず、
食卓で使われることを追求したうつわだからこそどれも漆器本来の純粋な魅力に溢れています。

今では希少となってしまった栗の木の美しさ、軽さが大いに活かされた、栗木盆。
黒や朱で縁取られた見込みは、まるで木目を楽しむ為のステージのようで、抜群の塗り技術を持つ岩舘さんの本領全開です。

続いて、使いやすく迫力満点、木目の美しさにも目を奪われるカスク鉢。
丈夫で傷の目立たない拭漆の見込みは普段のカジュアルな使用にも適します。

そして、可愛くお洒落なフォルムと、玉山さんのとにかく丁寧で美しい塗りが、相性良く結実した蓋付き椀。
可憐な佇まいが目を惹きます。

漆そのものの良さが存分に活かされた浄法寺の漆器の魅力を ご堪能ください。

こちらでも岩舘隆さんのうつわをご紹介しています。どうぞご覧下さい。

こちらでも玉山保男さんのうつわをご紹介しています。どうぞご覧下さい。

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