「今、イムサエムの時。」-新作展を控えて-
11月1日からの2年ぶりの個展を控えて10月も半ば
愛知県豊田市にイムサエムさんを訪ねました。
朝5時に車で家を出て約5時間半、工房に到着します。
いつもの事ながら和やかなご夫妻の笑顔に迎えられて
挨拶もそこそこ2階の展示室に案内されます。
一段一段 踏みしめるように階段を上がり室内を一望した瞬間
期待で膨らんでいた胸がいっぺんに弾けます。
そこには2年の歳月をかけて作られた新作の数々が溢れんばかり、
所狭しとしかも整然と並べられています。
今まで目にしたこともないような斬新なうつわが
あれもこれもと言わんばかりに目に飛び込んできます。
その中でも 特に目を引くのが40センチ×25センチは
あろうかと思われるダイナミックな楕円皿です。
大胆な大きさと形に加えて飛鳥や細やかな小花を可憐にあしらった文様が
「宴の主役」を予感させます。
25センチの正四方角皿も見逃せません。
赤絵と染付を巧みに組み合わせて
果実、小花、小鳥の隙のないうつわいっぱいに詰めての表現は
「自然への賛歌」そのものです。
また淵に白釉を施し掻き落としで唐草が描かれた8寸皿も
出色で新鮮味溢れるミート皿として活躍するでしょう。
まだまだ人気の焼酎カップ、フリーカップ、楕円小皿、四方小付
ワインカップ、そして大皿など
お馴染みのうつわ120種が新作として待機しています。
総じて今回は 形状を工夫したものが多く
大小を問わず楕円、長角、四方といった 変形の様々な面白さが堪能できます。
前回の個展でお客様とお話したことリクエストなどを
念頭に置きながらの2年間のうつわ作り。
心を込めて余すところなく手を掛けて準備した
イムさんの人柄そのものの仕事ぶりに胸が打たれます。
工房に充満するイムさんの熱い思いを花田のギャラリーでも
再現する役目をひしひしと感じる訪問でした