大平新五展
築窯業にも従事し、「土を焼く」メカニズムを熟知する大平新五さん。
敬愛する古陶のエキスと現代の暮らしを、自らの陶芸でつなぎます。
乾いた秋風に晒された、艶やかな柿を無造作に盛り付けた姿は、
静物画ではなく、風景画のような空気感。
大平さんの作り出す生命力に満ちた陶器に
柿や差し込む光、まわりが呼応するかのよう…
土の力強さに、飾り気のないシンプルが、お互いを引き立て合います。
タタラではなく、粘土の塊を手でたたいて伸ばした8寸サイズは
際の繊細なラインにも、豊かな表情を見せるそれぞれが一点もの。
秋の夜長に一献傾けて…
しみじみとした味わいに酔いしれそうです。